子育て支援・地域交流 in 藤沢
NPO法人とことこ

くげぬま探検まち歩き2024

2024年9月25日(水)朝9時

暑さも和らぎ秋風爽やかな遠足日和🌞

とことこ探検隊 砥上公園に集合!

2024年は関東大震災から101年!1月1日の能登半島大地震に始まり、南海トラフ地震、首都直下型地震への警戒アラートほか水災害も続き何度も緊張が走りました

鵠沼は、境川・引地川・相模湾と三方を海に囲まれ、昔から水害が多かった地域、災害の歴史から学ぶべきことがたくさんあります

江ノ電石上駅〜柳小路駅沿線を昔の地図を片手に探訪しました

江戸の藤沢は流通の中心地

東海道6番目の宿場『藤沢宿』は、大山道、江の島道、鎌倉道、八王子道、厚木道などが集まる流通の中心地!!

中でも江の島道は、遊行寺から江の島弁財天詣に向かう遊山客で賑わい栄えていました

旧江の島道沿いの砥上公園

藤沢駅南口ロータリーから徒歩5分、商店街を進んでいくと周囲にマンションが立ち並ぶ中左手に砥上公園があります

『砥上公園の江の島道弁財天道標』

江の島の修行で管鍼法を修得し、徳川綱吉の病も治したという盲目の鍼師『杉山検校』は江の島弁財天の熱心な信者で、江の島弁財天への道をたどるすべての人の『現世と来世の安楽』への願いを込めて、江の島道(約4km)に48基の道標を建立しました(現存する12基が藤沢市重要文化財)

目の見えない方達のために文字を深く掘られているとも言われ、検校の人柄が偲ばれます

江の島道の路傍にあたるこの地に移設された道標は、今も道ゆく人たちを優しく見守っています

『砥上公園の庚申供養塔』

滑り台の近くに、庚申供養塔や馬頭観音など8基が並んでいます

江戸初期から長寿や健康を願い広まったという庚申信仰は、明治政府より迷信だとされ、各地の庚申供養塔が道路拡幅などに伴い撤去や移転をされたようです

『飲料水兼用耐震性貯水槽』

砥上公園の広場の下に非常用の貯水槽が埋設されていたってご存知でしたか?

非常時に水道が遮断されると、100t(約33,000人×1日分)の非常用飲料水が確保されるとのことですが。。

住み続けたいまちとして人気の鵠沼地区は移住者も多く

人口 59,555人! 2024年9月1日現在

う〜ん 各家庭での備蓄が必須ですね💦

(3L×人数×最低でも3日分 を推奨)

避難所不足も想定されます、在宅避難ができるよう自宅が無事であることを願います

石上神社・石上会館

砥上公園から徒歩2分、右手に石上神社があります。気をつけてないと通り過ぎてしまう大きさです。今よりも大きく蛇行していた境川沿いにあった石上神社は、氾濫で度々流され現在の場所に移転されました

並んで建っている石上会館の横に地域の歴史が掲示されています

鵠沼の石垣の玉石は関東大震災の副産物

関東大震災の山津波で小田原市根府川は駅舎、鉄橋、列車ごと海に転落!多くの民家も土砂に飲み込まれ甚大な被害がありました

その際大量に流れ出て再建の邪魔になった玉石は、復興支援の一貫として買い取られ鵠沼の風物詩でもある石垣になったそうです

藤沢南消防署の見どころ

『消防署入り口のショーケース』

関東大震災時の様子や昔の道具が見られます

『遠距離送・排水システム車』

2022年4月、全国に先駆け導入された、1km先まで送水と排水ができる機能を兼ね備えるISUZU製、3人乗りの特別車両!

断水時にも河川や海水を利用可能、鵠沼のように道が狭く大型車両が入りにくい住宅街の浸水時の排水など、大規模災害にも活躍が期待されている。

シンボルマークは市の鳥カワセミ

1kmの遠距離に合わせてナンバープレートも『1000番』とこだわりを感じます✨

なんと、価格は1億6500万円!

まだ訓練のみで実働はしていないとのこと、宝の持ち腐れ? いえいえ出番がないのは平和な証拠ですね

鵠沼奥田の歴史

藤沢市保健所・南保健センターに地域の歴史について展示されています↓

正確さに欠けるかもしれませんが私なりにまとめてみました↓↓

『暴れ川の治水工事と奥田』

明治末期、大きく蛇行していた境川を神奈川県は治水のため大規模改修をして流れを変えたため、片瀬と鵠沼の飛地ができた

『水道局と高瀬通りのおはなし』

山本橋が開通し、渡し船のための船橋や船着場もなくなった

新河川の両側に確保した県有地は、農業政策のための貸し田圃になり、奥田の地には黄金色の稲穂が揺れた

『戦争で栄えた鵠沼奥田地区

大正10年、東京から現ミネベアが移転、終戦まで軍事用品の生産で発展した

昭和20年には動員された学徒を含め職員5,950名の大規模工場になり、それに伴い必要となった学校や宿舎や診療所は県有地の田圃を埋め立てて作られた

当時の青年学校は後に移転(現在の片瀬中学校)、跡地には市民会館が建てられている

昭和23年片瀬江ノ島線・467号線開通

昭和30年国体にあわせて秩父宮体育館完成

昭和38年 藤沢市中央図書館開館

暴れ川の治水と戦争が奥田地区の発展につながった

大正末期に高砂周辺で宅地分譲をした高瀬弥一さんは、藤沢駅から海岸までの道路建設と水道の敷設に尽力した

大正15年 自邸内の水源井戸から江の島水道を敷設し給水に成功!後に玉川浄水と提携合併し石上で浄水施設を運営、昭和7年に神奈川県水道局に買収された

『課題が残る合流式の下水道』

生活排水と雨水が一緒に下水処理場にむかうが、雨量が多くなると下水処理が追いつかず、家庭の汚水が川に流れ海に行く

現在、古い下水管を地震に強い物に交換する工事を順次行なっている

↑↑

南保健センターには、他にも興味深い記事や写真がたくさん掲示されていました

境川の水害対策

南消防署裏にある洪水想定区域のマップ、境川から蓮池方面は特に被害が心配される地域なので、様々な水害対策がとられています

『貯留管』

鵠沼東部1号貯留管工事(藤沢市下水道ビジョンより)

ゲリラ豪雨などの雨水を一時的にためるため境川から蓮池にかけて直径3.5m×650mの貯留管が埋設されている

河川をライブカメラで確認しながらゲートの開閉で放水量を調節! 2014年に貯留管の完成以降、浸水被害が落ち着いた

『境川の浚渫工事』

川底の土砂を取り除き水害を予防

浚渫のため運び出された土砂は、養浜や防砂柵の設置に使用(鵠沼海岸にて別日に撮影)

『道路維持作業車』

大雨時の冠水を未然に防ぐため側溝の落ち葉や土砂の収集作業中(新林公園付近で別日に撮影)

『雨水貯留施設』の看板

クリエイト藤沢片瀬店の駐車場のフェンスに発見

『大源太公園の江ノ島道道標』

藤沢宿から江の島に至る約4kmの旧道・江の島道は、江ノ島弁財天詣の遊山客や生活路として賑わい、多くの寺社、旅館、旧家などが立ち並んでいたが、明治以降になると鉄道と新道の開通により廃れていったそう

この近くに昨年まであった旅館が取り壊されて駐車場になっていました

江ノ電『川袋駅跡地』

江ノ電の駅は現在15、過去には最大39駅もあったそう。石上駅と柳小路駅間には、川袋駅があった

かつて大きく蛇行した川が袋状になっていた辺りは川袋と呼ばれた

今は道路や線路ができているが、川の流れのように大きく道が蛇行している

『藤沢駅鵠沼海岸線』

藤沢駅から鵠沼海岸への移動や防災活動用として、昭和32年に決定された計画道路だが、67年経つ今も工事再開の気配はゼロ

この下に雨水貯留管が埋設されている

鵠沼高校前や蓮池付近は、雨水排水用の格子蓋がある

桜小路公園の地図を前に話が盛り上がります

七夕の落雷事故

七夕頃の第二蓮池 マコトバスが咲き乱れる

写真中央は2005年七夕に落雷した大きな松。犬の散歩中に雨宿りをしていた母娘が亡くなった。今も木肌に雷の傷跡が残る。

落雷を防ぐためか、一際大きかった松は周囲の木と同じくらいの高さに伐採されている。

藤沢メダカを観察中

数珠玉!首飾りを作って遊んだことを懐かしむ声も上がりました😊

蓮池は、7つあった池が周辺の開発で埋め立てられ第一蓮池と第二蓮池の2つになりました沼地で海抜も低いため冠水や浸水の被害が多い場所でしたが、2014年に貯留管の完成後は被害がなくなったそうです

咲き乱れる萩の花の前でほっと一息

風が強めだったせいか野鳥は見つけられませんでしたが、野鳥撮影のカリスマ・米山清さんにカワセミの鳴き声も教えていただきワクワクしました✨

ゴールは『喃の風SHONAN』

ドキュメンタリー映画『99歳母と暮らせば』の舞台でもある谷光章監督がお住まいの 築100年の赤い三角屋根の古民家!

NHKドラマ『SHRINK』のロケで中村倫也さんと土屋太鳳ちゃんが訪れた際の裏話も伺いました

お茶を飲みながら、感想タイム!

何十年も鵠沼に住んでいるのに知らなかったことがたくさんあって勉強になりました。楽しかったです。

近くに住んでいるのに、初めて通る道や初めて入った場所があって驚きました。まだまだ知らないことがありそうです。

よく通る道でも自転車やランニングで素通りしていたので、ゆっくり歩いて発見がたくさんありました。まち歩きいいですねぇ。

古地図を片手にいいですね。川袋のように地形の特徴がそのまま地名になっているのも面白い!鵠沼のことをもっと知りたくなりました。

大満足のくげぬま探検まち歩きとなりました

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定員10名のところキャンセルがあり、人数は7名と少なめでしたが、皆さんのお話と、探検の発見で気づきもいっぱい!


災害と戦いながら、まちをつくり、尊い命を守ってきた先人達に思いをはせる時間にもなりました

ご参加いただいた皆様ありがとうございました✨

まち歩き中にゴミ拾いもしました

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♦︎探検コース

(砥上公園→石上神社→南消防署→境川沿い→南保健所→境川→大源太公園→川袋駅跡→蓮池→アトリエ梅庵→秩父公園→喃の風SHONANで交流タイム)

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