とことこ探検隊がゆく!メルシャン藤沢工場のひみつ
10月18日、月曜日。
前日までの雨が嘘のように、穏やかに晴れ渡りました。
この日、代表の濱田率いるとことこメンバーは
なんと!!!
巨大な銀色のタンクが目を引く
メルシャン 藤沢工場様 を訪問してきました。
メルシャンさん、といえばもちろん「ワイン」。
ワインを通じて、藤沢市内のイベントにも出展されているのをよくお見かけします。
直近では、10月初めに開催されていた藤沢市北部 遠藤・御所見のウォーキングイベントや、
東京2020 オリンピック開催を記念して、藤沢市&ありあけハーバーさんとコラボ企画をされたり
藤沢市民にとっては、「あ、ここにもメルシャンさん!」と
なにかと気になる存在ではないでしょうか?
そんな藤沢と連携して活動されているメルシャンさんを
地元密着、藤沢密着をメインに掲げて活動している
「NPO法人とことこ」としても、見逃せません!!!
ヴェールに包まれたメルシャン藤沢工場さんの謎を探るべくお話を伺ってきました。
わお♡
嬉しいお出迎えです。
どんなひみつが聞けるのかな?ドキドキしながらセミナールームへ。
「日本一のワインの街」を合言葉に!
メルシャン藤沢工場さんは、CSVの取り組みとして、上記の合言葉をスローガンに掲げているそうです。
藤沢をワインの力で元気にしていくお手伝いができれば、ということで、藤沢市と包括連携協定を締結しています。
先に記述した藤沢に関するイベントはもちろん、地域住民の「健康・安心」、そして「地元の賑わい」演出にも一役買って下さっています。
そうそう!
地元の賑わいといえば、ワインまつりが思い浮かびませんか?
昨秋は、スタンプラリー方式になったため、
藤沢駅前広場で催し物等は開催されませんでしたが、
ワインラバーとしては毎年心待ちにしているイベントです。
ご存じの方も多いと思いますが、
メルシャンさんは、藤沢市や商工会議所と一緒に
陰ながらこのワインまつりを盛り上げてくれているんですよ!
このイベントを通して、
メルシャンさんのワインを手に取られた方、
市内には大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
こうした市内の各種イベント・お祭りを盛り上げていくお手伝い役として、声がかかれば出向いたり、要請があれば情報の提供をしたり。
多方面にわたって、藤沢市に協力されているご様子です。
地域に根差した活動に、積極的に取り組まれているのだな~、
ということが分かりました。
さらに地元に密着!という活動もされています。
市内の公民館でワインセミナーを開催、というのは
ふんふんなるほど、とそう驚きませんが、
藤沢市の認知症サポーターにも登録しているんですよ~、
と認定の証(あかし)であるオレンジ色のリングを見せて下さったときには、
え!?認知症サポーターに、会社をあげて参加されているのですか!!!
と、正直びっっっくりしました!!!
地域でできることを探して、協力のネットワークをつくる、ということが認知症サポーターの役割の一つとして挙げられているので、ほんと地域活動についても熱心な会社でいらっしゃるんだなぁ、というのが、ひしひしと伝わりました。
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また、副工場長 谷猪様のお話の中にも、大変印象深い言葉がありました。
「藤沢工場は『ものづくり』が本業です」
「お客様へ、喜んでいただくために安心・安全、高品質な製品を手頃な価格で提供する、といったことが重要なミッションとなります」
「なお、それだけではなく、地域の皆さんとの連携も、会社として重要なミッションと考えています」
なるほど。
「地域との連携=重要ミッション」と掲げてらっしゃるから、
「メルシャン」さんを藤沢市民は身近に感じられるのですね。
メルシャンのワインができるまで
メルシャンさんでは、「どこのブドウでつくるか?」によって、
ワインづくりを担う部署が大きく二つに分かれています。
1)日本産のブドウからワインをつくる → シャトーメルシャン
いわゆる「ワイナリー」がつくるワインです。
シャトーメルシャンは、勝沼、椀子、桔梗が原の三ヶ所にあります。
(ちなみに筆者は、シャトーメルシャンさんだと「玉諸甲州きいろ香」が好きです)
2)外国産のブドウ果汁や輸入ワインを使ってワインをつくる → 藤沢工場
外国産のブドウ、といっても侮ってはいけません。
メルシャンのワインとして世に出せる品質を維持できるよう、安心して任せられる生産者を厳選し、提携しているそうです。
産地も、世界5大陸の主要なブドウ産地を選び、提携しています。
ブドウの収穫期に捕らわれず、年間安定して製造・供給ができるように、ですね。
味の設計者!「ブレンダー」
収穫されたブドウを果汁にする際も、最終的にどんなワインとなるようにしたいか、
現地生産者と入念に打合せをしながら進めていくのだそう。
そのようなブドウ果汁や輸入ワインを仕入れて、ブレンド・醸造し、デイリーワインは作られていきます。
私たちが、毎年同じ品質のデイリーワインを飲めるのは、こうした協力体制のもと
メルシャン品質に仕上がったブドウ果汁や輸入ワインを原料としていること、
さらに藤沢工場内で、ブレンドの調整・工夫をしながら醸造していたからなのですね。
知らなかった~。
そして、このブレンド調整がかなり重要ポイントでして、
「ブレンダー」というメルシャン独自の有資格者が出来上がりの味を見極めていくのだそう。
ブレンダーは、社内で数々のOJT訓練を受けて、なれるのだそうです。
この方の舌と鼻に、メルシャンのデイリーワインの運命が委ねられているのですね!!!
原料運搬の工夫 あれこれ
● 国内デイリーワイン
原料となるブドウ果汁は、濃縮果汁の状態にしてから日本へ運ばれてきます。
濃縮にすることで容量が半分以下に減らせるため、輸送コストを削減できるのです。
資料スライドで見た濃縮果汁の姿は、たゆんたゆんとした半ゼリーみたいな感じでした。
コストだけではなく品質の安定も図るため、現地の生産者と度重なる打合せをした上で輸入されてくるんですよ。
● 輸入ワインボトリング
スーパーやコンビニでよく見かける「FRONTERA」のエチケット。
このワインも、実は藤沢工場でボトリングされたワインだったのですね。
輸入会社(インポーターとも言います)の多くは、瓶詰めされた状態のワインを輸入する方法をとっています。
が、藤沢工場では、コンテナに詰めたワインを輸入しているそうです。
コンテナにして運ぶことには理由があります。
ワインの敵は、なんといっても「酸化」と「温度」。
コンテナに入れる際、酸素(空気)を逃がしながら詰めるので、ワイン自体が酸素に触れる面積を少なくでき、酸化が防げます。
そして、瓶に比べて大きなコンテナに入れて運ぶ方が、温度変化が少なくて済むそうです。
また、船積みの際も、温度変化がないような場所へ積んでもらい、品質が安定するように工夫されているそうです。
それにコンテナの方が瓶より圧倒的に軽い!ので、燃料が少なくて済みます。
つまり、CO2の削減にもつながる!!!ということで、コンテナでの輸送方法は一石三鳥なのです。
さあ、工場見学です
「へえー、ほお~、そうなんだ~」の連続でした!
・ターーーンク!!!
道路から藤沢工場さんの敷地を見ると、聳え立っている銀色のタンクが気になりますよね。
気になりますよね!!?(私だけかしら)
この堂々たるタンクの中に、輸入されたブドウ果汁とワインが詰まっています。
うわー、ワインの中で泳いでみたい~、とか不遜なことを思ってしまったのはナイショです。
● ここから、600品種もの商品が生まれます
敷地の広さに限りがあるため、工場の建物は上へ上へと伸びていったそう。
だから、工場のあるフロアへ行くまで、何段もの階段を上がっていきます。
こうやって私たちが訪問するとき以外にも、この階段を担当者が行ったり来たりしているのかな?
多品種少量生産、が藤沢工場の最大の特徴です。
ボトルのサイズ違いなどを含めると、その数は600品種!
商品ごとの違いに合わせて、機械を都度セットするため効率的にラインを稼働させるのも、重要なのだそう。
だから、「この日のこの時間帯に、この商品をつくる」というタイムテーブルを作る方が、ひじょーーーーーーに頭を使うそうです。
まるでパズルゲームのようですね。
あ、電車のダイヤを決めるのにも通じてるかも。
多くの嗜好に対応していくのにそれに合う機械を全部設置してたら、場所もお金も天井知らずになってしまいます。
効率よくスマートに。マルチ選手のような工場だな、と納得しました。
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工場を出ると、たくさんの銘柄の箱が、物流倉庫の入り口で、いまかいまかと出荷を待っているところでした。
この藤沢から、全国各地へと届くことを考えると、どんな方がどんなシチュエーションで楽しんでいるのかなぁ、と
想像(妄想?)がますます膨らむのでした。
現在、一般向けの工場見学はされていませんが、先日近隣の明治小学校の生徒さんを社会科見学で迎えられたそうです。
きっと彼らも、ぐるぐる回る充てん装置や、ラベル貼付けの機械、それを目視でみはる職員の方、瓶をそーーーっと箱に詰める機械のアームの滑らかな動きをみて、
すげー!!!とか、
もういっぱいになってる!!!とか、
ずっと見てんの大変じゃねぇ!??とか、
きっと驚嘆して、盛り上がったことでしょうね~。
大のオトナの私たちですら、思わぬ社会科見学をさせてもらうことができ、大盛り上がりでしたもんね。
将来子供達も、お酒をたしなむ年齢になったら、「あ!メルシャンの商品だ!」と手に取るかもしれませんね。
(次は藤沢市とメルシャンさんのこぼればなしを紹介します)
(文:田中紀子/レイアウト・構成:竹田充俊)